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ピアジェ アルティプラノ アルティメート コンセプト トゥールビヨン創業150周年の節目に薄型技術の限界を超える

創業150周年という特別な年に、ピアジェはウォッチメイキングの歴史において初となる偉業を成し遂げました。ムーブメントを作り始めて150年、初の薄型キャリバー「9P」の開発から67年、そして2018年の世界最薄ウォッチ「アルティプラノ アルティメート コンセプト」の発表から6年の時を経て、ピアジェはまたしてもウォッチメイキングにおける創造性の限界に挑みました。エレガンスを追求し、独創性を具現化したこの比類なきタイムピースは、先行モデルと同じわずか2mmという薄さの中にトゥールビヨンを搭載しています。進化し続けるピアジェが作り上げたこの画期的なクリエイションは、メゾンにとって技術面だけでなく達成感という意味においてもマイルストーンと言えます。  

 

「アルティプラノ アルティメート コンセプト トゥールビヨン」は、それ自体が1つのパラドクスです。そしてもちろん、ウォッチメイキングにおける実現可能性の限界を超えたこのモデルは、150年にわたってピアジェの時計職人がいかにウォッチを進化させてきたかを物語っています。ケース径41.5㎜、2気圧防水、そしてブルーPVD加工されたコバルト合金製ケースの「アルティプラノ アルティメート コンセプト トゥールビヨン」は、一見すると必要な機能を漏れなく兼ね備えた日常使いのウォッチであるかのようです。しかしわずか2㎜という厚さとトゥールビヨンの存在によって、このウォッチは非日常的な異次元に達しているのです。

 

ブリッジの中で回転する「アルティプラノ アルティメート コンセプト トゥールビヨン」のキャリッジは、現在の最先端技術の定石を大きく覆します。裏蓋のサファイアクリスタルから見えるトゥールビヨンの下には、ピアジェの創業以来その原動力となってきたモットー「常に必要以上に良いものをつくる」が刻印されています。ピアジェの文化は、人、発明、コラボレーションを基盤とし、この精神が驚異的な薄型への挑戦を可能にしてきました。

 

最高を生み出すアトリエ

「アルティプラノ アルティメート コンセプト トゥールビヨン」は厚さわずか2㎜で、1ミクロンたりとも超えていません。そしてケース径は41.5㎜で、こちらも1ミリたりとも超えていません。先行モデルとまったく同じサイズであるにもかかわらず、トゥールビヨンを搭載することで25%増えるパワー消費量に対応しています。これは単なる数字の羅列ではなく、ピアジェが成し遂げた偉業の証であり、その背景には、ラ・コート・オ・フェにあるピアジェのマニュファクチュールの中でひそかに繰り広げられた時間との闘いという長いドラマがあります。3年間にも及ぶ作業、見直し、自問自答が、このプロジェクトに関わったすべての人の人生に刻まれました。

 

トゥールビヨンは、ウォッチメイキングの頂点とされる王道のコンプリケーションの1つです。このウォッチは、美しさのために技術を活かすというメゾンの昔からのアプローチに忠実でありながら、技術面においても詩的なまでの美しさという面でも、新たな次元に到達しています。このプロジェクトの指針は究極の精度を得ることでした。先行モデルと同じ薄さを保ちつつトゥールビヨンを加えるために、見た目には分かりにくいものの、ピアジェは先行の「アルティプラノ アルティメート コンセプト」の部品の90%を設計し直し、さらに新しい機構も開発しなければなりませんでした。「アルティプラノ アルティメート コンセプト トゥールビヨン」の内部は、すべてが新しく、長年の経験を活かして再開発・再設計されています。「『アルティプラノ アルティメート コンセプト』と確かに似ていますが、それは表面上の話です。トゥールビヨンを足しただけのように見えて、実際は何もかもを新たに見直したのです」と、ピアジェCEO バンジャマン・コマーは語っています。

 

ムーブメント

「アルティプラノ アルティメート コンセプト」は6年以上にわたる共同作業の成果であり、2020年のジュネーブ・ウォッチ・グランプリ(GPGH)で栄誉ある「金の針賞」を受賞しています。完成までに長い道のりを経たことは言うまでもなく、このウォッチによってもたらされた挑戦の数々によって、ピアジェは薄型ウォッチ開発のゴールに到達したと思われたかもしれません。ところが最初のアイテムが納品になるや否や、ラ・コート・オ・フェにあるピアジェの歴史的なマニュファクチュールにいる時計職人のチームは、その続きを思い浮かべずにはいられませんでした。このウォッチを超えるために何ができるだろうか?追加の表示ではなく、視覚的な効果と動きと技術的なチャレンジを組み合わせた、時計通から認められるコンプリケーションが残っていました。

 

「アルティプラノ アルティメート コンセプト トゥールビヨン」誕生へと導いた勢いは、かつてキャリバー「9P」と「12P」、「アルティプラノ アルティメート オートマティック」(「900P」または「910P」)を生み出し、後に「アルティプラノ アルティメート コンセプト」を誕生させた勢いに似ています。この新しいアイディアを実行に移す必要がまだ残っていました。どうやってそれを実現するかという問題に、簡単な答えはありませんでした。

 

キャリバー「900P」の考案以来、十分に試行を重ねた原則によって、このウォッチではムーブメントとケースが一体化しています。貴重なスペースを節約して究極の薄さを実現するために、ケースバックがムーブメントの地板の役割を果たしており、地板の外面が肌に触れます。このケースは、厚さと強度のバランスが絶妙なブルーイング加工されたコバルト合金でできています。ケース側面に埋め込まれた入れ子式のリューズを引き出し、専用ツールを用いて操作します。このツールはタッチペン型になっていて、ギア減速とトルク管理のシステムが内蔵されており、香箱にエネルギーを与えることができます。

 

大改革

構成部品の配置は同じままです。時分表示の文字盤は、先行モデルと同様に常にややオフセンターに配されています。そしてトゥールビヨンは10時位置にあり、トゥールビヨンのリングに秒表示の目盛が刻印されています。すべての制約の中で最も重要なものは厚みで、それは必須条件であり、変えてはならない本質的なものでした。すべての部品を厚さ2㎜の中に納めなければならなかったのです。同じケース径、同じケースの厚み、そして同じ薄さの部品を用いてウォッチメイキングを行うにあたり、難題は既に飽和状態にあるスペースの中に、どうやってトゥールビヨンを付加するかということでした。

 

そこから、ラ・コート・オ・フェとジュネーブの関係者による検討が始まりました。紙と鉛筆、記憶と文化、開かれた精神とウォッチメイキングに関するノウハウなど、ありとあらゆる才能が総動員されました。このプロセスでは、ピアジェが常に用いてきた開発手法がベースになりました。この手法とは、アイディアを試行してみて、採用するか却下するかを決定し、そしてまた一から始めるということを飽くことなく繰り返すことです。こうして70バージョン以上のトゥールビヨンキャリッジ、15バージョン以上のアンクル、30バージョン以上のケースフレームを試した後、ようやく「アルティプラノ アルティメート コンセプト トゥールビヨン」の最終的な構造ができあがったのです。

 

ピアジェは薄型ウォッチ、中でも厚さ7.35㎜のケースに収められた厚さ4.6㎜の薄型トゥールビヨンキャリバー「670P」に関する高度な専門技術を活かして、トゥールビヨンを搭載した厚さ2㎜のタイムピースを誕生させました。「アルティプラノ アルティメート コンセプト トゥールビヨン」のデザインにおいて、イノベーションは文字盤側では0.20㎜、裏蓋側では0.16㎜に抑えることで、サファイアクリスタルの厚みを最適化した点にもあります。AUC以来、ケースバックからムーブメントが見えるのはこれが初めてです。このようにトゥールビヨンはわずか1.49㎜の厚みの中に収まっており、上側の受けがなく、下側から支えられているだけです。しかしながら、そこかしこで百分の数ミリを稼ぐだけでは、ラ・コート・オ・フェのマニュファクチュールは目標に達することができず、トゥールビヨンを全面的に考え直すことが必要になりました。

 

程なくして新しいアイディアが浮かびました。トゥールビヨンを外周で固定するのです。「アルティプラノ アルティメート コンセプト トゥールビヨン」は、環状のトゥールビヨンです。外縁がセラミック製ボールベアリングで固定されており、1分間で1回転します。主にチタンでできていますが、可能な部分はスチールになっています。残る課題はトゥールビヨンにエネルギーを与えることでした。

 

優れた技巧

「アルティプラノ アルティメート コンセプト トゥールビヨン」は、最初の「アルティプラノ」の十字型のデザインを複製したスケルトン加工の香箱を1つ備えています。しかしながら、トゥールビヨンのエネルギー消費量は固定式の調速機を備えたムーブメントよりも多く、「アルティプラノ アルティメート コンセプト」に比べて約25%多くのエネルギーを消費します。それなのに「アルティプラノ アルティメート コンセプト トゥールビヨン」は、少なくとも40時間のパワーリザーブを誇ります。この驚異的な結果は、2つの解決策によるものです。

 

まず1つ目は、最もよくパワーを伝える要素をもとに修正を加えた、カスタムメイドの主ゼンマイの採用です。板バネの厚みをやや厚くすることで、追加で必要となるエネルギーを供給することが可能になりました。そして2つ目は、ほぼシステマチックにホゾの代わりにボールベアリングを使用したことです。可動式のパーツの回転を容易にすることで、ピアジェは摩擦を軽減しました。こうして温存されたエネルギーをパワーリザーブに使用できるだけでなく、さらに薄く仕上げることも可能になりました。

 

ウォッチの厚さが2㎜しかないと、すべてのルールが変わります。時計の着用者はほとんど気づかないでしょうが、時計職人にとってはきわめて重要なことです。小型化された部品の機械加工公差は、真のチャレンジでした。てん輪のリムとサファイアクリスタルの厚みが共に0.2㎜のため、それらを加工する機械は約2ミクロン、つまり0.002㎜の精度で加工できる必要があります。部品は製造後に表面を装飾するための一連の工程を経るため、このことがなおさら重要になります。たとえば、これまでの6本ではなく4本のアームを備えた歯車は、手作業でダイヤモンド研磨され面取りされています。部品を変形させずに美しく仕上げる必要があります。

 

「アルティプラノ アルティメート コンセプト トゥールビヨン」は、これらの偉業の集大成といえるかもしれません。しかし真の偉業は「アルティプラノ アルティメート コンセプト」の場合と変わることなく、このウォッチが醸し出す印象です。トゥールビヨンを搭載した、コインと同じくらい薄い厚さわずか2㎜のウォッチを着用することは、驚きであると同時に心地よい体験でもあります。側面から見ると、ウォッチはほとんど見えなくなります。裏側から見ると、その魅惑的な開口部で着用者を驚かせます。そして文字盤側から見ると、自己表現を可能にするための予想外の深みを見せるのです。日常的には、着けていることを忘れてしまいそうでありながら、同時に堂々たる存在感も感じさせるウォッチ。ブルーとゴールドのいかにもピアジェらしいカラーの組合せによって、非常にエレガントな趣をしています。このエレガンスこそが他の何よりもピアジェが自社のDNAの中核に位置付け、飽くことなく追求し続けているものなのです。

「アルティプラノ アルティメート コンセプト トゥールビヨン」は、身に着ける楽しみと、眺める楽しみを与えてくれるウォッチです。そして身に着ける人に、このウォッチを生み出した人々とマニュファクチュールの長い歴史を思い出させてくる存在でもあります。そして最後に、メゾン ピアジェは次にどんなチャレンジに挑むのだろうかと、ワクワクした気持ちにさせるのです。

 

仕様

 

ムーブメント

キャリバー                       970P-UC、ワンミニット ペリフェラルトゥールビヨン

巻上げ                手巻

石数                       13

ボールベアリング     6

パワーリザーブ     約40時間

振動数                   4 Hz / 28’800 回/時

表示                 時、分、トゥールビヨンキャリッジにスモールセコンド

 

 

文字盤                      真鍮(CuZn38Pb2)製の輪列受けとラウンド型とバトン型のエナメルインデックスを備えたモノブロック文字盤、バトン型の分針、時針付きモノブロックディスク

 

ケース

メタル                       ブルーPVD加工されたコバルト合金M64BC

直径                    41.5 mm

厚さ                    2 mm(ガラスを含む)

ガラス                           反射防止加工されたサファイアクリスタル 

裏蓋                          一部にサファイアクリスタルディスクをはめ込んだソリッドバック

防水性                 3 気圧(30 メートル/100 フィート)

 

ストラップ

素材                       xxx

 

バックル                        コバルト合金M64BC製ピンバックル

 

限定生産本数          xxx





ピアジェ アルティプラノ アルティメート コンセプト トゥールビヨン創業150周年の節目に薄型技術の限界を超える

創業150周年という特別な年に、ピアジェはウォッチメイキングの歴史において初となる偉業を成し遂げました。ムーブメントを作り始めて150年、初の薄型キャリバー「9P」の開発から67年、そして2018年の世界最薄ウォッチ「アルティプラノ アルティメート コンセプト」の発表から6年の時を経て、ピアジェはまたしてもウォッチメイキングにおける創造性の限界に挑みました。エレガンスを追求し、独創性を具現化したこの比類なきタイムピースは、先行モデルと同じわずか2mmという薄さの中にトゥールビヨンを搭載しています。進化し続けるピアジェが作り上げたこの画期的なクリエイションは、メゾンにとって技術面だけでなく達成感という意味においてもマイルストーンと言えます。  

 

「アルティプラノ アルティメート コンセプト トゥールビヨン」は、それ自体が1つのパラドクスです。そしてもちろん、ウォッチメイキングにおける実現可能性の限界を超えたこのモデルは、150年にわたってピアジェの時計職人がいかにウォッチを進化させてきたかを物語っています。ケース径41.5㎜、2気圧防水、そしてブルーPVD加工されたコバルト合金製ケースの「アルティプラノ アルティメート コンセプト トゥールビヨン」は、一見すると必要な機能を漏れなく兼ね備えた日常使いのウォッチであるかのようです。しかしわずか2㎜という厚さとトゥールビヨンの存在によって、このウォッチは非日常的な異次元に達しているのです。

 

ブリッジの中で回転する「アルティプラノ アルティメート コンセプト トゥールビヨン」のキャリッジは、現在の最先端技術の定石を大きく覆します。裏蓋のサファイアクリスタルから見えるトゥールビヨンの下には、ピアジェの創業以来その原動力となってきたモットー「常に必要以上に良いものをつくる」が刻印されています。ピアジェの文化は、人、発明、コラボレーションを基盤とし、この精神が驚異的な薄型への挑戦を可能にしてきました。

 

最高を生み出すアトリエ

「アルティプラノ アルティメート コンセプト トゥールビヨン」は厚さわずか2㎜で、1ミクロンたりとも超えていません。そしてケース径は41.5㎜で、こちらも1ミリたりとも超えていません。先行モデルとまったく同じサイズであるにもかかわらず、トゥールビヨンを搭載することで25%増えるパワー消費量に対応しています。これは単なる数字の羅列ではなく、ピアジェが成し遂げた偉業の証であり、その背景には、ラ・コート・オ・フェにあるピアジェのマニュファクチュールの中でひそかに繰り広げられた時間との闘いという長いドラマがあります。3年間にも及ぶ作業、見直し、自問自答が、このプロジェクトに関わったすべての人の人生に刻まれました。

 

トゥールビヨンは、ウォッチメイキングの頂点とされる王道のコンプリケーションの1つです。このウォッチは、美しさのために技術を活かすというメゾンの昔からのアプローチに忠実でありながら、技術面においても詩的なまでの美しさという面でも、新たな次元に到達しています。このプロジェクトの指針は究極の精度を得ることでした。先行モデルと同じ薄さを保ちつつトゥールビヨンを加えるために、見た目には分かりにくいものの、ピアジェは先行の「アルティプラノ アルティメート コンセプト」の部品の90%を設計し直し、さらに新しい機構も開発しなければなりませんでした。「アルティプラノ アルティメート コンセプト トゥールビヨン」の内部は、すべてが新しく、長年の経験を活かして再開発・再設計されています。「『アルティプラノ アルティメート コンセプト』と確かに似ていますが、それは表面上の話です。トゥールビヨンを足しただけのように見えて、実際は何もかもを新たに見直したのです」と、ピアジェCEO バンジャマン・コマーは語っています。

 

ムーブメント

「アルティプラノ アルティメート コンセプト」は6年以上にわたる共同作業の成果であり、2020年のジュネーブ・ウォッチ・グランプリ(GPGH)で栄誉ある「金の針賞」を受賞しています。完成までに長い道のりを経たことは言うまでもなく、このウォッチによってもたらされた挑戦の数々によって、ピアジェは薄型ウォッチ開発のゴールに到達したと思われたかもしれません。ところが最初のアイテムが納品になるや否や、ラ・コート・オ・フェにあるピアジェの歴史的なマニュファクチュールにいる時計職人のチームは、その続きを思い浮かべずにはいられませんでした。このウォッチを超えるために何ができるだろうか?追加の表示ではなく、視覚的な効果と動きと技術的なチャレンジを組み合わせた、時計通から認められるコンプリケーションが残っていました。

 

「アルティプラノ アルティメート コンセプト トゥールビヨン」誕生へと導いた勢いは、かつてキャリバー「9P」と「12P」、「アルティプラノ アルティメート オートマティック」(「900P」または「910P」)を生み出し、後に「アルティプラノ アルティメート コンセプト」を誕生させた勢いに似ています。この新しいアイディアを実行に移す必要がまだ残っていました。どうやってそれを実現するかという問題に、簡単な答えはありませんでした。

 

キャリバー「900P」の考案以来、十分に試行を重ねた原則によって、このウォッチではムーブメントとケースが一体化しています。貴重なスペースを節約して究極の薄さを実現するために、ケースバックがムーブメントの地板の役割を果たしており、地板の外面が肌に触れます。このケースは、厚さと強度のバランスが絶妙なブルーイング加工されたコバルト合金でできています。ケース側面に埋め込まれた入れ子式のリューズを引き出し、専用ツールを用いて操作します。このツールはタッチペン型になっていて、ギア減速とトルク管理のシステムが内蔵されており、香箱にエネルギーを与えることができます。

 

大改革

構成部品の配置は同じままです。時分表示の文字盤は、先行モデルと同様に常にややオフセンターに配されています。そしてトゥールビヨンは10時位置にあり、トゥールビヨンのリングに秒表示の目盛が刻印されています。すべての制約の中で最も重要なものは厚みで、それは必須条件であり、変えてはならない本質的なものでした。すべての部品を厚さ2㎜の中に納めなければならなかったのです。同じケース径、同じケースの厚み、そして同じ薄さの部品を用いてウォッチメイキングを行うにあたり、難題は既に飽和状態にあるスペースの中に、どうやってトゥールビヨンを付加するかということでした。

 

そこから、ラ・コート・オ・フェとジュネーブの関係者による検討が始まりました。紙と鉛筆、記憶と文化、開かれた精神とウォッチメイキングに関するノウハウなど、ありとあらゆる才能が総動員されました。このプロセスでは、ピアジェが常に用いてきた開発手法がベースになりました。この手法とは、アイディアを試行してみて、採用するか却下するかを決定し、そしてまた一から始めるということを飽くことなく繰り返すことです。こうして70バージョン以上のトゥールビヨンキャリッジ、15バージョン以上のアンクル、30バージョン以上のケースフレームを試した後、ようやく「アルティプラノ アルティメート コンセプト トゥールビヨン」の最終的な構造ができあがったのです。

 

ピアジェは薄型ウォッチ、中でも厚さ7.35㎜のケースに収められた厚さ4.6㎜の薄型トゥールビヨンキャリバー「670P」に関する高度な専門技術を活かして、トゥールビヨンを搭載した厚さ2㎜のタイムピースを誕生させました。「アルティプラノ アルティメート コンセプト トゥールビヨン」のデザインにおいて、イノベーションは文字盤側では0.20㎜、裏蓋側では0.16㎜に抑えることで、サファイアクリスタルの厚みを最適化した点にもあります。AUC以来、ケースバックからムーブメントが見えるのはこれが初めてです。このようにトゥールビヨンはわずか1.49㎜の厚みの中に収まっており、上側の受けがなく、下側から支えられているだけです。しかしながら、そこかしこで百分の数ミリを稼ぐだけでは、ラ・コート・オ・フェのマニュファクチュールは目標に達することができず、トゥールビヨンを全面的に考え直すことが必要になりました。

 

程なくして新しいアイディアが浮かびました。トゥールビヨンを外周で固定するのです。「アルティプラノ アルティメート コンセプト トゥールビヨン」は、環状のトゥールビヨンです。外縁がセラミック製ボールベアリングで固定されており、1分間で1回転します。主にチタンでできていますが、可能な部分はスチールになっています。残る課題はトゥールビヨンにエネルギーを与えることでした。

 

優れた技巧

「アルティプラノ アルティメート コンセプト トゥールビヨン」は、最初の「アルティプラノ」の十字型のデザインを複製したスケルトン加工の香箱を1つ備えています。しかしながら、トゥールビヨンのエネルギー消費量は固定式の調速機を備えたムーブメントよりも多く、「アルティプラノ アルティメート コンセプト」に比べて約25%多くのエネルギーを消費します。それなのに「アルティプラノ アルティメート コンセプト トゥールビヨン」は、少なくとも40時間のパワーリザーブを誇ります。この驚異的な結果は、2つの解決策によるものです。

 

まず1つ目は、最もよくパワーを伝える要素をもとに修正を加えた、カスタムメイドの主ゼンマイの採用です。板バネの厚みをやや厚くすることで、追加で必要となるエネルギーを供給することが可能になりました。そして2つ目は、ほぼシステマチックにホゾの代わりにボールベアリングを使用したことです。可動式のパーツの回転を容易にすることで、ピアジェは摩擦を軽減しました。こうして温存されたエネルギーをパワーリザーブに使用できるだけでなく、さらに薄く仕上げることも可能になりました。

 

ウォッチの厚さが2㎜しかないと、すべてのルールが変わります。時計の着用者はほとんど気づかないでしょうが、時計職人にとってはきわめて重要なことです。小型化された部品の機械加工公差は、真のチャレンジでした。てん輪のリムとサファイアクリスタルの厚みが共に0.2㎜のため、それらを加工する機械は約2ミクロン、つまり0.002㎜の精度で加工できる必要があります。部品は製造後に表面を装飾するための一連の工程を経るため、このことがなおさら重要になります。たとえば、これまでの6本ではなく4本のアームを備えた歯車は、手作業でダイヤモンド研磨され面取りされています。部品を変形させずに美しく仕上げる必要があります。

 

「アルティプラノ アルティメート コンセプト トゥールビヨン」は、これらの偉業の集大成といえるかもしれません。しかし真の偉業は「アルティプラノ アルティメート コンセプト」の場合と変わることなく、このウォッチが醸し出す印象です。トゥールビヨンを搭載した、コインと同じくらい薄い厚さわずか2㎜のウォッチを着用することは、驚きであると同時に心地よい体験でもあります。側面から見ると、ウォッチはほとんど見えなくなります。裏側から見ると、その魅惑的な開口部で着用者を驚かせます。そして文字盤側から見ると、自己表現を可能にするための予想外の深みを見せるのです。日常的には、着けていることを忘れてしまいそうでありながら、同時に堂々たる存在感も感じさせるウォッチ。ブルーとゴールドのいかにもピアジェらしいカラーの組合せによって、非常にエレガントな趣をしています。このエレガンスこそが他の何よりもピアジェが自社のDNAの中核に位置付け、飽くことなく追求し続けているものなのです。

「アルティプラノ アルティメート コンセプト トゥールビヨン」は、身に着ける楽しみと、眺める楽しみを与えてくれるウォッチです。そして身に着ける人に、このウォッチを生み出した人々とマニュファクチュールの長い歴史を思い出させてくる存在でもあります。そして最後に、メゾン ピアジェは次にどんなチャレンジに挑むのだろうかと、ワクワクした気持ちにさせるのです。

 

仕様

 

ムーブメント

キャリバー                       970P-UC、ワンミニット ペリフェラルトゥールビヨン

巻上げ                手巻

石数                       13

ボールベアリング     6

パワーリザーブ     約40時間

振動数                   4 Hz / 28’800 回/時

表示                 時、分、トゥールビヨンキャリッジにスモールセコンド

 

 

文字盤                      真鍮(CuZn38Pb2)製の輪列受けとラウンド型とバトン型のエナメルインデックスを備えたモノブロック文字盤、バトン型の分針、時針付きモノブロックディスク

 

ケース

メタル                       ブルーPVD加工されたコバルト合金M64BC

直径                    41.5 mm

厚さ                    2 mm(ガラスを含む)

ガラス                           反射防止加工されたサファイアクリスタル 

裏蓋                          一部にサファイアクリスタルディスクをはめ込んだソリッドバック

防水性                 3 気圧(30 メートル/100 フィート)

 

ストラップ

素材                       xxx

 

バックル                        コバルト合金M64BC製ピンバックル

 

限定生産本数          xxx